とあるお坊様が出ていて、道元禅師の弟子である懐奘禅師という人が書いた「正法眼蔵随聞記」という書物のことを語っていました。そのお話しが面白かったのでずっと聞いてしまいました。このお坊様は駒澤大学の角田泰隆という先生で、その先生の書かれた「道元のことば」という本がNHKテキストで売っていると番組の最後で言っていたので早速購入。その中にこんなことが書いてありました。
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一事を専らにする
夜話に云く、人は、世間の人も、衆事を兼ね学して何れも能くもせざらんよりは、ただ一事を能くして、人前にしてもしつべきほどに学すべきなり。況や出世の仏法は、無始より以来修習せざる法なり。故に今もうとし。我が性も拙なし。高広なる仏法の事を、多般を兼ねれば一事をも成ずべからず。一事を専らにせんすら、本性昧劣の根器、今生に窮め難し。努努学人、一事を専らにすべし。
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うーーん、何を言っているのかなんとなくわかるよーな気がする。多くのことに目を奪われずに一つのことに専ら励むことが肝要なのだと。一つのことを極めれば(いやそれすらとても難しいが)、すこしずついろいろなことが見えてくるのではないでしょうか。それにしても「夜話に云く、」とはなんか楽しげですな。